社会福祉法人ヘルプ協会の事業報告・決算・現況報告をおしらせします
2020年度の法人事業報告
2020年4月7日、第1回目の緊急事態宣言が出されたころ、ヘルプ協会では職員が初めて新型コロナウイルス肺炎の濃厚接触者としてPCR検査を受けました。この一年間は、新型コロナウイルス肺炎が世界中に蔓延し、我が国においても急速な広がりを繰り返し深刻さはむしろ増しています。ヘルプ協会においては深刻な感染状況には至っていないものの、引き続き収束の兆しが見えない中で厳重な感染予防の対策を続けながらかつてない 緊張感の強いられた 日々が続いて
います。
介護報酬の改定が行われ、0.7 %のプラス改定です。しかし、法人全体の経営 を安定させて職員の処遇を大幅に改善するにはほど遠い内容です。しかも加算の関係などではマイナスになっている事業もあります。 2020 年度の決算はコロナ禍においても各事業所が収支の改善に取り組んで、事業活動収支ではわずかですが黒字決算をすることが出来ました。資金収支はの~さいどの開設費用とコロナウイルス肺炎の緊急包括支援事業に伴う感染症防止のための環境整備等の費
用で黒字には至りませんでした。職員の処遇改善では定期昇給を行い、賞与を昨年度と同様に年間2.5か月分を支給しました。また、非常勤職員の賞与の計算式を変更し 大幅な改善を行いました。
新規事業では、特別養護老人ホーム以来となる障害者のグループホームの~さいどの開設が決定しました。10月に伊丹市の市営住宅4棟を活用した障がい者のグル-プホームを開設する事業者の公募が行われて、ヘルプ協会に決定し、 2021年4月1日開設の運びとなりました。
1、コンプライアンスを徹底するとともにケアの質、サービスの一層の向上を図る。マナーと言葉遣いの徹底した改善に取り組む
特養ホームでは、マナー接遇向上委員会を開催し、職員の対応・言葉遣い の振り返りをし、挨拶や笑顔といった小さな事から 1 つ 1 つ改善に取り組んでいます。また、ノーリフトケアの方針に基づきトイレにも介護用リフトを導入しました。ご利用者の満足度も高く、職員の身体的負担も軽減しています。 ぐろ~りあデイサービスでは利用者主体のケアを常に意識し、業務に追われたケアになっている時には日々のミーティングで見直しを図る取り組みを行っています。相談支援事業所は一人一人の考えや思いに寄 り添い、利用者の希望を聞くだけでなく、必要な支援を提供し、社会参加に繋がるよう心掛けています。 すべての事業所はコンプライアンスを徹底するように努めるとともにマナーと言葉遣い の改善に取り組みながらケアの質 と サービスの向上に取り組んでいます。 |
2、協同労働の原則を活かした運営に努める
協同労働の具現化で最も重視した「全職員会議」は、コロナウイルス肺炎の影響で開催が遅れ、11月25日にZOOMを使用してようやく第1回を開催しました。テーマは、ⅰ、介護保険をめぐる情勢 ⅱ、コロナウイルス肺炎の取り組みとひきつづき職員のみなさんに徹底していただくこと ⅲ、障がい者のグループホーム開設の具体化で行いました。 ZOOMによるオンラインでの開催は今後も続きますので、質疑の在り方などの面で工夫が課題になりました。 |
3、法人のあらたな発展を目指す新規事業計画の具体化を図る
法人の次の発展を目指す新規事業は、障害者グループホームと高齢者在宅サービス事業の小規模多機能型居宅介護です。サービス包括型のグループホームはこのたびの 2021年4月開設の運びとなりました。高齢 者施設については、障害者グループホームの改修工事の借り入れの関係で1年以上の先送りの計画になりました。 |
4、全事業でいっそうの経営改善を図り、安定した経営とひきつづき職員の処遇改善を目指す。
収入全体ではほぼ予算に近く、前年よりも3248万円多い6億4676万円になりました。法人全体の経常増減差額は486万円でした。コロナ禍で日々の運営は大変に厳しい1年でしたが、全役職員の取り組みで経営 改善を図ることができました。 職員処遇は 定期昇給、賞与等において 計画通りの改善を常勤職員、非常勤職員ともに行いました。 |
(1)訪問介護
・ 3 事業所の事業規模の均等化 ・3 事業所の収益の合計は1億8600万円を目標に取り組む ・ヘルパーの増員は法人全体の課題としても取り組む 事業規模の均等化の課題は3つの訪問介護事業所の連携を強めることを中心に取り組みが行われています。収入面ではぐろ~りあが昨年度を上回り、ぶる~むは予算を達成し年間収入が6000万円台になりました。東野訪問介護も予算を超えた収入で、3事業所を合わせた収入は1億8351万円になって予算近くにな |
ぐろ~りあ訪問 介護
・新たにサービス提供責任者を配置 ・コンプライアンスの重視 サービス提供責任者を含めて人材確保が進まず、ヘルパーの高年齢化が事業の運営上深刻になってきています。 |
ぶる~む訪問介護
・新たに体制の強化を図り、3事業所規模の均等化
ヘルパーは働き方や働ける時間を確認することで見直しを図り、シフト調整を行うなどの工夫もしています。そのうえで新規依頼は断ることなく受け入れ、利用者増を目指しました。 |
東野訪問介護
・東野地域を中心に地域への訪問活動を広げる
サービス付き高齢者向け住宅以外での訪問介護サービスの提供を広げ、収入増につなげることが出来ています。下期には常用パートヘルパー 1 名の採用もできて、日々シフトの確認を行いながら新規利用者の受け入れなどで収入増につなげました。 |
(2)通所介護
3 事業所それぞれの特長を活かした取り組みで収入増と収支の改善を図る。
ぐろ~りあは心身機能向上、生活機能向上を目指したサービス提供を行うことで利用者自らがデイサービスで実施したいこと(家事・木工・園芸等)に意欲的に取り組まれています。ぶる~むは利用者個々の理解を深めることでケアの質を高めるよう努めています。 |
ぐろ~りあデイサービス
・一日の平均利用者数32名・機能訓練の多様な取り組みを行う
機能訓練を見直し、機能訓練士が立てた計画や内容を利用者と共に話し合い積極的に取り組める環境作りに心がけました。 |
ぶる~むデイサービス
・1日平均の利用者数は15名を目標に取り組む ・地域密着の特性を生かす 満足度アンケート実施に加え日々の聞き取りを活かして、アクティビティに利用者の要望や希望を取り入れるよう努めました。毎日の利用の定員目標15名には届きませんでしたが、困難ケースの受け入れや居宅支援事業所へのこまめな情報提供を行い信頼関係づくりに努め、前年度よりも利用者増につながりました。 |
タカさん家
・スポット利用の呼びかけなどで平均9名を超える利用者数の維持
ショート利用で空きが出たり、サービス終了が分かった時点でスポット利用の案内を積極的に進め稼働率が下がらないよう努力しました。利用者数は昨年度下半期から続いた稼働率が下半期に回復してきました。 |
(3)特別養護老人ホーム
・法人のケアの範となる第3者評価事業を受審 ・職員員体制を安定させて運営の安定化を図る ・ショートステイは空室利用を確実に図り経営の安定化を図る 平均稼働率98%、新入居4名を迎えています。入院者、退所者がでたときは、併設のショートステイと連携(稼働率 111.5%111.5%)を図り、空室を作らない取り組みも強めました。また、日常的にはCST委員会でコストを意識した紙オムツ・パット類の検討を行い、備品については早めにチェック・報告に努め管理しています。 |
(4)居宅介護支援事業所
介護支援専門員の体制強化で各事業の経営にも貢献する
介護支援専門の体制強化はぐろ~りあ、東野ともに行えませんでした。また、コロナウイルス肺炎の影響もあり特に多職種連携に努めました。 |
ぐろ~りあ居宅介護支援事業所
・体制の強化で経営に貢献
病院、地域包括支援センターから新規相談は受け入れていましたが、依頼が続いたときには要支援の受け入れを断っています。 2 月からは 1 名の介護支援専門員の他部署への異動が決まったために新規受け入れ |
東野居宅介護支援事業所
・ぐろ~りあ居宅との統合は引き続き検討
経営面では地域包括からの新規依頼が多くあり、可能な範囲で受け入れました。その結果、予算を上回る収益を上げることができました。 |
(5)のっくおん
・利用者を定数に近づける ・新たな取り組みで就労支援事業としての豊かな支援活動を広げる豆腐事業については継続の検討 ・職員の誹謗中傷に対する刑事告訴の継続 コロナウイルス肺炎による緊急事態宣言で通所ができなくなったり、長期の在宅支援になるご利用者が増えました。通所が減ったことによって平均工賃は下がりましたが、冬場の課題だった外作業も個人宅の剪定を積極的に取り組んだり、豆腐の販売では予約注文を受け、作業の見直しが出来はじめてきました。 |
(6)ホーム友紀
・介護サービス包括型共同生活援助の開設の具体化
外部サービス利用型から介護サービス包括型共同生活援助の具体化は、の~さいどの開設で具体化を図ることになりました。ホーム友紀は利用者の引っ越しが完了した時点で閉鎖します。 |
(7)相談支援事業所
・適正な件数を維持し経営の安定化を目指す
計画相談件数においてもモニタリング件数でも昨年度を上回っています。 |
(8)ぐろ~りあ東野サービス 付き高齢者向け住宅
・ 41 室満室の取り組みを継続し、赤字からの脱却を目指す ・賃料の値下げ交渉の継続 平均40人、稼働率98%の目標は、月平均39.68人、入居率96.78 %とわずかに目標に届きませんでしたが、大きなトラブルやコロナ感染症に罹患する入居者もなく乗り切ることができました。収入は昨年度よりもわずかに少なく、赤字は 109 万円でした。経営改善の取り組みは賃料の値下げ交渉もあわせて理事会の課題に戻しました。 |
(9)緑丘瑞穂地域包括支援センター
平均40人、稼働率98%の目標は、月平均39.68人、入居率96.78%とわずかに目標に届きませんでしたが、大きなトラブルやコロナ感染症に罹患する入居者もなく乗り切ることができました。収入は昨年度よりもわずかに少なく、赤字は 109 万円でした。経営改善の取り組みは賃料の値下げ交渉もあわせて理事会の課題に戻しました。
コロナ禍で閉じこもりがちな高齢者向けに『緑丘・瑞穂地域包括支援センターニュース』を3回発行し、いきいき百歳体操を休止しているグループ向けに体操パンフレットを作ってお渡しする活動を行いました。 |
(10))事務センター
・経費の見直しによる費用の削減・建物・機器の長期修繕計画
職員が備品等を大切に扱えるよう工夫を含めた情報等の発信に努めて、無駄な経費の削減の取り組みを行いました。 |
5、法人中・長期計画を策定する
・介護サービス包括型の共同生活援助の開設、 ・ぐろ~りあ東野サービス付き高齢者向け住宅の発展計画 ・新規事業計画として小規模多機能型居宅介護の建設、人材確保、 ・ぐろ~りあの長期修繕計画 中長期計画策定委員会の小委員会の中で具体化できたのが、サービス包括型共同生活援助(グループホームの~さいど)です。 |
6、教育・研修
・人権尊重の研修の重視 ・法人全体の職員研究交流集会の開催 ・21老福連研究交流集会への参加 教育研修においてもコロナ禍で中止や延期が相次ぎました。 |
7、三法人及び地域との連携の取り組み
・三法人連携事業の発展 ・北園、北村地区を始めとする地域連携の取り組み ・ぐろ~りあ夏祭り 三法人連携事業は、代表者会議が情報交換を中心に11月に開催されました。また、1月15日には「三法人合同防災訓練」が開催されました。 |
現況報告書
2 財務諸表
PDF 貸借対照表
PDF 資金収支計算書
PDF 事業活動計算書