社会福祉法人ヘルプ協会の事業報告・決算・現況報告をおしらせします
2023年度 社会福祉法人ヘルプ協会 事業報告
1. 社会福祉法人の公益的な取り組みを全職員会議で具体化する
今年度は、全職員会議を節目ごとに3回開催しました。法人理念「協働と信頼を基盤に人間の 尊厳と人権を守る」に基づいた事業展開についても職員全員で考える機会を設けました。法人 初めての取り組みとして、3 月全職員実践発表会を実施しました。12事業所が、この1年間の それぞれの活動内容を「笑顔」をテーマに、10分間のパワーポイントにまとめ発表するもので す。事業所ごとに話し合いプレゼンに向けて練習を重ね、発表する職員の姿に、この法人の職員 の底力を見ました。またその内容は、法人理念に添った心暖まるもので、出席者の感動を呼びました。組織運営の見直しも行い、各運営責任者(居宅部門責任者•訪問部門責任者•障害部門責任者•ぶる〜む責任者)も加えた拡大本部会議を開催しています。開かれた本部運営を実践し、 働くものが安心できる環境を整えてきました。
今後も、地域の福祉力向上に寄与できる人材育成のため、全職員会議を定期的に開催し、職員, 地域住民の声が事業運営にいっそうの反映ができるよう工夫を重ねます。
2. 全事業の経営改善を図り職員の処遇改善を行う
1年間、顧問社会保険労務士の助言のもと、就業規則の見直しを行ってきました。「働き方改革」を視野に入れ、職員の実情や思いも取り入れ、今の法人体制に即した就業規則となりました。令和5年度から施行します。
経営的には、コロナウイルス感染症の影響も大きく、目標を達成することが出来ませんでした。8月と12月に特別養護老人ホームにおいてクラスターが発生、ショートステイの利用制限を行なったことや、デイサービスや訪問介護、障がいサービスにおいても、利用制限を余儀なくせざるを得ない厳しい状況でした。そうした中でも、法人基本方針に沿った感染対策を、全職員が遵守したことで、安心•安全の運営を遂行、特養ホームでは、BCPに添った感染対策で、早期に収束することができました。10月、法令遵守と効率化を図る目的で、東野訪問とぐろ〜りあ訪問の事業所統合を図りました。
年間予算761,722,000円を目標とし、毎月実施する管理者会議では月次決算表の見方や9つの財務指標を学ぶ機会を作り、それを各事業所の会議で話し合うことで「経営の見える化」を図り、白分たちが出来る支出の工夫や収入増に向けた改善策等、全職員で経営について考えました。
物価や光熱費の高騰で支出が増え、昨年比で月100万円超の支出増となった月もありました。特に厨房においては、食材の高騰が後を絶たず、昨年12月に利用者様からの食費を上げざる得ない状況になりました。今後も高騰が予測されていますが、利用者様の満足度向上のため工夫を重ねています。
ぐろ〜りあ東野サービス付き高齢者向け住宅は、今年度8月から41床満床を続けていますが黒字転換が出来ず厳しい経営が続いています。
長年経営を圧迫しているサ高住の賃料について、顧問弁護士の助言もあり、減額に向けて令和5年3月から調停に踏み切りました。
3. 令和3年度決算書の長期前払い未収金費用の調査結果について
令和4年5月、伊丹市法人監査課から、令和3年度法人決算書の長期前払い未収金の調査と、その報告を12月21日までに提出するよう指示がありました。(12月調査報告書を伊丹市へ提出済)6月、前理事長の体調不良のため、理事長の交代もあり、新たな法人本部体制で、経年的に課題であった法人会計の本格的調査を、外部の調査員を雇い実施することとしました。
その調査のなかで、8月、過去に起こった経理の不祥事が明らかになり、不祥事を起こした職員は、9月に懲戒処分としました。
その当時の理事会体制、法人会計について、法人監査課から特別監査を受けることになりました。(令和5年2月6日改善報告書を伊丹市へ提出済)特に、法人会計における長年の不備、法人本部会計チェック機能の甘さ、レベルの低さも明らかになりました。
また、その後の評議員会では、歴年の役員による善管注意義務違反についての追及がありました。その1つ1つを改善すべく、法人本部機能体制の見直しや会計業務体制の見直し、また、経理職員を採用し事務センター組織の強化•改善を行いました。その結果、下半期からは健全な事務体制が整い、更なる改善に向かって歩みだしています。
この間、拡大本部会議•所長会議のなかで、改善内容や経営の現状共有を行い、管理職一丸となって法人の立て直しに尽力した1年となりました。
令和5年3月には、弁護士•公認会計士•福祉関係の学識者の3名からなる第三者調査委員会を法人内に設置し、専門家の目線で取り組むべき課題や方策を検討しています。2度とこのような不祥事が起こさないために、令和5年度に提出される報告書に学び、適正な法人経営につなげていきたいと思います。
4. 教育•研修について
法人における全体研修については、予定している研修を実施することができました。
特に、「ハラスメント対応」「虐待事例」「個人情報保護」「職員同士の相互理解•信頼関係の構築」など外部講師による研修は、職員1人1人の意識の再確認と職場スキル向上の機会になりました。コロナ禍における法人研修の取り組みでオンラインやハイブリットを活用しましたが、毎回90名を超す参加がありました。オンラインを使用しての研修にも慣れてきたものの参集型とは違い、出来ない部分やネット環境が途切れてしまうトラブルもあり、技術的な課題は残ります。感染•災害の事業継続計画における実践訓練及び机上訓練の実施もおこないました。
5. 三法人連携•地域の取り組み
5月開催の三法人初任者研修は、コロナ禍でありながらも工夫を行い無事に終了し、三法人内の就職に結びつきました。その他の事業については、予定していた内容が全て中止となり、来年度への持ち越しとなり、オンライン会議等で、三法人の連携を図りました。
コロナウイルス感染症の影響で、地域では多くの事業が中止になりました。
北園自治会の月1回の会議に出席し情報共有を行い、有志職員がボランティアで地域清掃に参力a、グループホームの〜さいどは、光明自治会の地域清掃にご入居者、職員で参加しました。
今後、状況を見ながら協力体制の再構築を図ります。
(別表)
1. コロナウイルス感染について(2022年度)
- コロナ感染拡大のため、のっくおん2日休業
- コロナ感染拡大のため、ぐろ~りあデイサービス2日休業
- コロナ感染拡大のため、ショートステイ受け入れを1週間ストップ
2. 法人全体事故件数について
3. 法人全体苦情件数について
- 苦情件数 : 5件
4. 委員会活動について
5. 法人全体の研修及び、訓練の取り組み
『法人研修』
『BCP事業継続計画実施訓練』
- 三法人防災訓練実施 1月17日に実施
- 防災BCP机上訓練 設定を同じにして各事業所の研修にて
- 感染BCP机上訓練 設定を同じにして各事業所の研修にて
『職員実践発表会』
- 3月17日 「笑顔」をテーマにしての各事業所のプレゼン発表(参加人数:72名)