2023年1月発行
社会福祉法人ヘルプ協会 伊丹市北園1丁目19-1電話:072-777-0765 ホームページ:https://helkyo.com/
発行責任者:竹下千晴
「2023年新年の挨拶」
新年あけましておめでとうございます。
国内外の情勢もさらに厳しさが増す経済環境のなかで、新しい年が始まりました。
ウクライナ戦争の終結にむけて世界が心を一つにし、すみやかに経済の安定を図ることが明るい未来、心穏やかに過ごせる日々に繋がっていくのだと願っております。
特に、私たちの暮らしにかかわる医療・介護・子ども・子育てなどの社会保障制度改革については、昨年から厳しい内容が、財政制度審議会・財政制度分科会等で議論されています。2024年度からの第9期介護保険事業計画策定にむけて、サービス利用者負担を原則2割とすることやケアマネジメントの利用者負担導入、要介護1・2の方に対する訪問介護、通所介護を介護予防・日常生活支援総合事業へ移行する案など検討され、多くの団体の反対表明が寄せられています。不安を抱えながら暮らすということは、生きようとする力が脅かされることではないかと思います。安心して住み慣れた地域で自分らしい暮らしが継続することを望む方々も多いのではないでしょうか。
現在、国が推奨している地域包括ケアシステムの基本的な考えは、「高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援を目的とし、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう地域の包括的な支援・サービス提供体制を構築する」と定義され、
1、医療との連携強化(リハビリテーション含む)
2、介護サービスの充実強化
3、予防の推進
4、見守り、配食、買い物など、多様な生活支援サービスの確保や権利擁護など
5、高齢になっても住み続けることのできる住まいの整備(終の棲家)
以上の5つの視点から構成されており、私達の日々の仕事がこの壮大なテーマを担っています。
福祉に携わるヘルプ協会の職員として、私たちに求められているものはなにでしょうか。
社会の動向に関心をもち、身近な方たちの幸せを考え、行動していくことが大切です。
地域住民の皆さん・ご利用者の皆さんの声に耳を傾けましょう。相手に思いを馳せることができる感性をみがきましょう。
そして、他人の喜びを自分の喜びとする思いやりのある優しい心をもち続けたいものです。
本年も地域の皆さんに、更なる信頼を寄せていただけるヘルプ協会となりますよう職員一同精進してまいります。よろしくご高配のほどお願い申し上げます。
理事長 田中喜代子
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「特別養護老人ホームぐろ~りあ」
~入居者様の平均年齢は九〇歳です~
開設七年目となる特別養護老人ホームぐろ~りあは、地域密着型の全室個室の小規模特養です。入居者様は二十名おられ、九十歳以上の方が六割を占めます。入居者様の平均年齢は90.2歳です。
終の棲家といわれる特養では、その名の通り入居者の皆様の居室も個性に富んでいます。今までお暮しだった時の思い出の品の数々やご家族の写真などを飾ったり、お仏壇を備えておられる方もいらっしゃいます。
T様の一日はお仏壇に手を合わせることから始まります。毎朝六時前には起床され、お着替えなどを済まされるとお部屋の奥のお仏壇に向かわれます。それから本や小物類をもってフロアに出てこられ、いつも決まってパントリー前のテーブルのお席につかれます。
季節を問わず両足裏や腰への「貼るもカイロ」も欠かせません。毎朝職員に貼り替えのご要望をされます。テーブル席ではコーヒーを飲みながらクロスワードパズルに挑戦されます。職員も時間を作ってはクロスワードパズルをご一緒しますが、なかなか難しいお題もあり知的好奇心が刺激されます。
特養にはショートステイが併設されています。ショートステイの利用者様が来られると、一番にコミュニケーションをとって下さいます。その時は決まって「私は九十八歳!」というお言葉が笑顔とともに飛び出します。お食事は好き嫌いなく、毎食良いペースでしっかり摂られます。
午後からは毎日タオルたたみをして下さいます。まだ洗濯ができていない時間帯から何度も「手拭い(タオル)まだか?」など仰り、タオルの洗濯と乾燥が終わるのを、今か今かとお待ちになっています。他の利用者様や職員とコミュニケーションを取られたクロスワードパズルに余念がありません。そして夜はお仏壇に手を合わせてからお休みになります。
九十六歳のY様は飛行機が大好きです。ちょうどY様のお部屋の窓からは、伊丹空港を飛び立つ飛行機を一日に何度も目にすることができます。普段はフロアで過ごされることの多い様ですが、一日に数回は決まってご自分でお部屋に戻られ、飛行機が飛ぶのを待っておられます。そして飛行機が飛び立つのを見られるととっても良い笑顔でそのことを職員にお話して下さいます。
Y様には、「Y様専用三点セット」が欠かせません。それはニット帽子、眼鏡、ひざ掛けです。毎日お気に入りの三点セットを必ず身に纏って過ごされています。そして甘いものもお好きです。
特養のフロアでは、入居者の皆様のお好きなDVDを再生してご覧いただく日を設定しています。Y様のお好きなDVDは「皇室ビデオ」です。昭和天皇がお若い頃の映像や、当時から近年に至るまでの皇室の足跡とともに日本の近代史を紹介するという内容です。本当に楽しみにされているご様子で、毎回熱心にご覧になっています。そしてその内容を笑顔交じりに職員に伝えても下さいます。
このお二人に限らず、入居されているお元気な九十代以上の皆様に共通しているのは、編み物やピアノなどその方独自の楽しみや日課を持って、個性的に過ごされているということでした。それぞれの生活習慣はもちろん、好きな何かに没頭することや周囲との関わり、そして笑顔のある毎日が欠かせないということを自然に実践されています。そんな日常だからこそ、いつまでも元気でいられるのだということを私たちに教えて下さっています。
『ぐろ~りあ東野サービス付き高齢者向け住宅」
ぐろーりあ東野サービス付き高齢者向け住宅は2020年10月に10周年を迎えました。
100年の間、ご入居様におかれましても性別や年代の変化等ありました。
開所当時から現在までお住まい頂いている方や、一〇〇歳を迎えられた方、近年では、90歳代の入居者様が約4割をしめているサービス付き高齢者向け住宅となっております。まさに人生一〇〇歳時代を実感している所です。
今回は人生の大先輩でもあるご入居様に日々どのように過ごされていらっしゃるか、健康の秘訣などを、お聞かせ頂きました。
今年30歳を迎えられたA様。サ高住へは令和4年1月に入居されました。
息子様お二人を立派に育て上げ、同居されていた姑様を見送られたのちは、趣味を楽しまれていたそうです。
水墨画やちぎり絵、特に折り紙が好きで、創作物も多種多様です。どれも繊細で彩りよく素敵です。お部屋にもたくさん飾ってあり、
こちらでの生活にも満足しておられるそうです。元気の秘訣をお伺いしました。モットーは『くよくよ考えない』『笑って暮らす』『人は人』他人に迷惑をかけないように健康で残された人生をほがらかに笑って暮らす事がこれから過ごすうえ大事だとも・・・。
常に朗らかで、挨拶や感謝の気持ちをスタッフにも惜しみなくかけてくださいます。
お元気で周りにパワーを与えて下さる事と思います。
【Yさんのお話し】
秘訣は規則正しい生活を送るようにしている。無理はしない、特に気を付けていることは転倒をしないようにする事!
「体はしんどいけど気持ちではそのような事を思っています。姿勢よくを意識していて悪
くならないようにしている。また夜も寝る時間を決めています。そうしないと自分がだらっとなってしまうのでそうならないように気を付けています。デイサービスに行ってリハビリもしています。デイサービスにも楽しい仲間がいるし、今の暮らしも快適です」
これからも皆さんと和やかに仲良く暮らしていきたいと思うと話しておられました。
今年9歳を迎えられたN様。こちらにいらっしゃるまでは、一〇〇歳体操に参加され自宅で自由に過ごされておられました。
現在もリハビリデイ・タカさん家デイ・訪問鍼灸などほぼ毎日予定を組まれ元気にご予定をこなしておられます。そのおかげで生活のリズムが整えられお出かけ以外では、テレビをごらんになられたり、新聞を読まれたり、お部屋でゆっくり過ごされていらっしゃるご様子です。
健康の秘訣は?とお聞きすると「何にも考えない事!」と言われます。
確かにひとつひとつの物事に感情を揺さぶられると、気持ちも落ち着かなくなり、しんどい時も出てきます。いつも穏やかで、事あるごとに「ありがとう!」と活舌よく元気な笑顔をみせて下さるN様。
先日内科の先生に「あと6年は長生き出来るよと言われたわぁ。」とショックな顔をしておられました。ユーモアセンスもあり周りを明るくされる才能がおありです。
これからも周囲に素敵な笑顔をふりいて下さることと思います。
利用者様は九十歳代の方が多く、とてもお元気で、九十歳代には思えないお若い姿を見て、何か秘訣があるのではと思い尋ねてみました。
【Tさんのお話し】
この世に男と女がいる事が若さの秘訣だと思う、男女が一緒に暮らす事一人になると寂しいし、何か聞きたいと思っても相手が骨壺にいたら何も聞くことが出来ないし男の人の考えも聞きたいと思う事もあります。今はデイサービスに行っていますが若いスタッフの人と話をする事も秘訣かも、今のファッションの事など様々な事を教えてもらったりします。ある日若い人に聞いてみました。「奥さんをなんて呼んでいるの」の問いに『内の嫁』かなの答えに、そう呼ぶのかと思いました。なぜなら私が会社勤めしているときは、男の人は奥さんの事は「ワイフ」と呼んでいる人が多かったので少し驚きました。
「テイホームタカさん家」
『90歳代の過ごし方』
デイホームタカさん家では現在90歳代の方が男性1名、女性6名、合計7名の方がご利用されておられ、90歳代に見えないほどパワフルで頼もしい方も多数おられます。
タカさん家では、洗濯物たたみや、洗濯物干し・コップ洗いなどの日常生活動作を取り入れたプログラムに積極的に参加してくださる方も多く、お互いにチームワークを高められながら過ごされておられます。
『人生日々の過ごし方』
今回30歳代の対象の方からO様にどんな人生を過ごされて来られたのか?色々お話をお聞きしました。
9人兄妹の上から6番目に生まれられたO様は、若い時は百姓をされ田んぼでトマトやキュウリ・ナスビなど苗から作られ出荷されておられました。
自宅で収穫した野菜を食べて来られたのもあり、後に元気な秘訣”の一つとして「トマトかなあ・・・・トマトは若い時から食べていた」と話されています。
一日の生活スケジュールも自身で決められ、朝は決まった時間に起き、朝ご飯は”8時までに・・・”と決められています。
~90歳代の方へのインタビュー~
【休日の過ごし方】
休日は日和の良い日は、家で過ごすより花を見ている方が好きと話され、シルバーカーで散歩に行かれています。花は育てるのも好きとの事ですが、散歩のもう一つの楽しみが、誰か知り合いがいないか?お知り合いの方がおられたら世間話をするのが楽しみだと話されていました。
雨の日はテレビや、ご家族の方の勧めでぬり絵”を楽しまれています。主に風景や花の絵柄が多いそうです。
毎日の日課では、夕食後に妹様の家でお風呂に入る事も楽しみにされていま。「デイサービスでも入れますよ」とお声掛けしましたが、きっぱり断られ「妹の家に行くのが楽しみ」とのことです。妹様は「90歳になっても毎晩お風呂に入りに来られるのは元気な証拠」と話されています。
最後にもう一度「元気な秘訣は何ですか?」と尋ねると「クヨクヨしない。クヨクヨしたってしゃあない。根性出して生きている」と笑って教えていただきました。
~「SDGs」について考えてみましょう!~
前回から掲載している「SDGs」という言葉。様々な社会問題に取り組む持続可能な17項目の国際目標ことです。
もっと簡単に説明すると、世界中にある環境問題差別・貧困・人権問題といった課題を、世界のみんなで2030年までに解決して、地球を住みやすい星にしようといった取り組みです。今回は、その中の1つである目標6「水」~安全な水とトイレを世界中に~について考えてみたいと思います。
日本は、水があるのは当たり前、日常生活の中で水がないことは考えられないですよね。地球には余るほど水がありますが、そのほとんどが海水です。飲み水や農業、工業に使える川と湖の水は、地球上の水のわずか0.01%です世界中の人が自由に水を使い続けていくといつかは、水が少なくなり、水を求めて、争いも起こるかもしれません。
当たり前と思っている水も空梅雨などになると水不足が起こって、足りなくなっています。
では、出来る事は何でしょうか?シャワーを浴びたり、歯磨きをする時に水の出しっぱなしをなくしましょう。シャワーを1分短縮するだけで、2Lのペットボトル6本分の水が節約できます。水の使い方を工夫して節水を意識しましょう。「世界がぐっと近くなるSDGs(学研社)参照」
ヘルプ協会の元旦のお食事です
ヘルプ協会にある特別養護老人ホームぐろ~りあとぐろ~りあ東野サービス付き高齢者向け住宅で、コロナ禍の中でのお正月を過ごしました。
コロナ禍でご家族に会うことも難しく、少しでもお正月を楽しく過ごして頂きたいというおもいから食事面でも工夫しています。1月1日の元旦にはそれぞれの施設でお正月メニューを提供させて頂きました。
「編集後記」
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
今年の元旦は天気も良く素晴らしい初日の出を拝む事ができました。
よい一年となることを願います。
コロナウイルス感染症も引き続き拡大しています。手洗い、うがいなど日ごろから行ている習慣をより意識して取り組んでいきたいと思います。
この1月のみんなのたよりは、ヘルプ協会の90歳を超えるご利用者、ご入居者にスポットを当てて作成しました。
読みづらい部分もあると思いますが。ご一読のほどよろしくお願い申し上げます。
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